腫瘍免疫と免疫チェックポイント阻害薬の将来展望

腫瘍免疫関連の医療関係者です。主に癌や免疫などの研究に従事しています。近親者を癌でなくして依頼、研究を進めています。様々な癌における将来展望、現時点での方向性などを研究者観点で書いていきます。主に自分の忘備録ですが、癌と向き合っている方々への情報発信の場となればいいなと思っています。このブログで取り上げている内容はまだ日本で治療を受けることが出来ないものなども含まれますのであくまで今後の展望を見る、またはニュースとしてご覧になってもらえればと思います。

食道癌に初めて適応を取ったNivolumab(オプジーボ)

ついにですが、食道癌でも抗PD-1抗体の「Nivolumab:オプジーボ」が適応を取りました。2/21付での適応取得となります。

化学療法で治療失敗した症例に対して使えるようになっています。

現状での食道癌の標準療法はCF療法(5-FU+CDDP)ですので、この治療が失敗した症例に対して使えるようになります。

実際にATTRACTIO03試験でNivolumabの有効性が確認されたようです。

この試験のハイライトは下記の通り

①CF療法後のNivolumab vs タキサン系(ドセタキセルまたはパクリタキセル)の

PhaseⅢ試験

②主要エンドポイントはOSでHR=0.77 95%Cl:0.62-0.96でP=0.019 OS中央値を2.5ヵ月改善

③12ヵ月時点のOSは47%(95%CI:40〜54)で18ヵ月時点のOSは31%(95%CI:24〜37)。化学療法群はそれぞれ34%(95%CI: 28〜41)と21%(95%CI:15〜27)であった。

 

 

まずは、選択肢の少ない食道癌での適応を祝いたいと思います。

 

ですが、まだ効果は限定的。そのため次のステップとしては、より早期のLineやconbinationでの検証が求められるでしょう。

 

またPembrolizumabの適応取得が気になるところでもあります。