切除不能な局所進行性・転移性尿路上皮がん患者に対するenfortumab vedotin+keytruda(pembrolizumab)が有望な結果
アステラス社プレスリリースがアップデートされてました。
Seagen Inc. と共同して進めている製剤、PADCEV® (enfortumab vedotin-ejfv) において、転移性尿路上皮癌をターゲットとした試験
MSDの抗PD-1抗体のKeytruda(pembrolizumab)と併用したphaseⅠb/Ⅱ(EV-103)試験で有望な結果が得られたと報告。
この試験はコホートAからKまでなる広範なコホート群での検証となっている。
アステラス社プレスリリースがアップデートされてました。
Seagen Inc. と共同して進めている製剤、PADCEV® (enfortumab vedotin-ejfv) において、転移性尿路上皮癌をターゲットとした試験
MSDの抗PD-1抗体のKeytruda(pembrolizumab)と併用したphaseⅠb/Ⅱ(EV-103)試験で有望な結果が得られたと報告。
この試験はコホートAからKまでなる広範なコホート群での検証となっている。
まぁ、PhaseⅠ/Ⅱなので許されるものかとは思えるが、かなり多岐にわたっているなぁ・・と。
このコホートKはシスプラチンベースの治療が無効な切除不能な局所進行性・転移性尿路上皮がん患者に対するファーストライン治療となっており、周術期でプラチナベースの治療が行われて再発した症例を対象としている。
enfortumab vedotin 1.25mg/kg単独 vs enfortumab vedotin 1.25mg/kg+pembrolizumabのランダマイズドPhaseⅡの様相を呈している。
プライマリエンドポイントは奏効率のようで、コホートKの主要評価項目である盲検独立中央判定(BICR)により
64.5%の客観的奏効率(ORR)(95% CI: 52.7~75.1 )が確認されたことで達成し他との事。
奏効持続時間はまだ到達しておらず継続しているとの事(詳細不明)。
毒性も許容範囲であったということで、本試験上の一つのカテゴリをクリアしたことになるとの事。
この結果はまだ国際学会では開示されていないようなので、楽しみにしたいところである。
肝細胞癌の2ndLine治療で抗CTLA-4抗体+抗PD-1抗体は有用なのか?
●Ipilimumab and nivolumab in advanced hepatocellular carcinoma after failure of prior immune checkpoint inhibitor-based combination therapies: a multicenter retrospective study
(pubmed )https://pubmed.ncbi.nlm.nih.
(journal) https://link.springer.com/
(雑誌)J Cancer Res Clin Oncol. 2022 Jul 21. doi: 10.1007/s00432-022-04206-8.
(Impact factor)4.553(2022)
(author) Daniel Roessler:LMU Munich, Marchioninistrasse(ドイツ)
(癌腫) 肝細胞癌
(カテゴリー)2ndLine 免疫チェックポイント阻害剤併用
(目的)
(結果)Atezolizumab+Bevacizumabまた
このうちで10例がIpilimumab+Nivolumabの
15.3か月の追加解析でORRは30%でDCRは40%。PF
(解釈上の限界)
・
・既報のcheckmate040試験の既治療例を対象とした群
・抗PD-1/PD-L1抗体で治療失敗した症例に対して効果を
・現状では適応外のため追加検証が困難
(自己考察)
現在の実臨床では進行肝細胞癌では基本的にはAtezolizu
今後はHIMALAYA試験で結果を出したDurvalumab
が次の候補になってくると思うが、試験上では1stLine縛り
1stLineで免疫チェックポイント阻害薬を使ってしまうとそ
本報告以外に中国から抗PD-1/PD-L1抗体治療後にIpi
腫瘍微小環境を抗PD-1/PD-L1抗体が聞きやすいように変化するためにはどういう手法があるか?
●Therapeutic targeting of PD-1/PD-L1 blockade by novel small-molecule inhibitors recruits cytotoxic T cells into solid tumor microenvironment
【雑誌】J Immunother Cancer. 2022 Jul;10(7):e004695
(pubmed )https://pubmed.ncbi.nlm.nih.
(journal) https://jitc.bmj.com/content/
(Impact factor)11.367
(author) Rita C Acúrcio ポルトガル
(癌腫) pan-tumor
(カテゴリー)経口剤
(目的)低分子阻害で腫瘍微小環境におけるT細胞機能を強化する
(方法)PD-1/PD-L1相互作用を調節する新規低分子を発
(結果)フェナントレン骨格を有するcompound 69はPD-1/PD-L1相互作用を阻害し腫瘍微小環境にCD
(自己考察)
解釈上の問題は諸々あるため割愛するが、
通常低分子化合物ならば抗体製剤に近づけるのであればかなりの投
初回通過効果や局所移行率の問題などがありそうなものだが、
ただまだ実験段階であり、
新たな投与経路で治療効果が非劣勢ならばそれに望ましいものはな
メラノーマの治療薬ipilimumabは投与回数を減らすことは出来るのか?
●Early Response Assessment in Advanced Stage Melanoma Treated with Combination Ipilimumab/Nivolumab
【雑誌】Front Immunol. 2022 Jul 6;13:860421. doi: 10.3389/fimmu.2022.860421. eCollection
(pubmed )https://pubmed.ncbi.nlm.nih.
(journal) https://www.frontiersin.org/
(Impact factor)7.561(2022)
(author) Vincent T. Ma :University of Wisconsin(US)
(癌腫) melanoma
(目的)melanomaにおいての標準値量である、抗PD-1
(方法)上記併用療法を行ったmelanoma症例コホートにお
(結果)199例を評価しており、併用療法1回だけ投与群でCB
(結論) 抗PD-1抗体(Nivolumab)+抗CTLA-4抗体(I
(解釈上の限界)
・本試験の結果を受けて、
・CBRで検証されているが、結局のところ投与回数別のCRとP
・本研究は活動性の脳転移症例などを反映しており、
・今は体重固定用量で使用できる状況だが、Nivolumabは
・評価方法が通常のRECIST基準ではなくiRECISTを用
・レトロスペクティブなため前向き試験に変えて、投与回数別、
(自己考察)
本検証でirAEが原因で治療が中断したケースは初回投与群で1
他の疾患ではIpilimumabは1mg/kgの6週回しとな
【経口剤】免疫チェックポイント阻害剤も経口剤も視野に
●-Therapeutic targeting of PD-1/PD-L1 blockade by novel small-molecule inhibitors recruits cytotoxic T cells into solid tumor microenvironment
【雑誌】J Immunother Cancer. 2022 Jul;10(7):e004695
(pubmed )https://pubmed.ncbi.nlm.nih.
(journal) https://jitc.bmj.com/content/
(Impact factor)11.367
(author) Rita C Acúrcio ポルトガル
(癌腫) pan-tumor
(カテゴリー)経口剤
(目的)低分子阻害で腫瘍微小環境におけるT細胞機能を強化する
(方法)PD-1/PD-L1相互作用を調節する新規低分子を発
(結果)フェナントレン骨格を有するcompound 69はPD-1/PD-L1相互作用を阻害し腫瘍微小環境にCD
(自己考察)
解釈上の問題は諸々あるため割愛するが、
通常低分子化合物ならば抗体製剤に近づけるのであればかなりの投
初回通過効果や局所移行率の問題などがありそうなものだが、
ただまだ実験段階であり、
新たな投与経路で治療効果が非劣勢ならばそれに望ましいものはな
ASCO-SITC2021では別の製剤で経口の抗PD-1抗体の開発をIncyte社が手がけていると言う情報もある。
SITC 2021 – Incyte unveils its oral checkpoint blocker | Evaluate
またブリストル・マイヤーズ社と日本のペプチドリームが提携していた抗PD-1抗体経口剤も今から臨床入りを刷るという情報もある。
ただしこちらは放射性同位体で蛍光標識をして、将来的にはPETで抗PD-1抗体の効果を見定めるという診断用医薬品として開発されているようだ。
この分野はまだまだ目が離せそうない。
胃癌での免疫チェックポイント阻害薬末梢血biomarkerとしてアルブミン・CRP指標のGlasgow Prognostic Score (GPS)が有用な可能性
Soluble programmed cell death ligand 1 associated with clinical outcome in gastric cancer patients treated with nivolumab: Blood based biomarker analysis of DELIVER trial (JACCRO-GC08AR)
【雑誌】Annals of oncology VOLUME 33, SUPPLEMENT 4, S359, JUNE 01, 2022
(journal) https://www.annalsofoncology.
(Impact factor)
(author) H. Kawakami(kinki university)
(癌腫) 胃癌
(カテゴリー)Glasgow Prognostic Score (GPS)
(目的)胃癌におけるNivolumabの末梢血におけるbio
(方法)501例のうち439例のNivolumab使用例の血
(結果)
sPD-L1が高いとPFS不良と相関する傾向だったが有意差は
OS不良はsPD-L1高値(P=.005)とsCTLA-4高
ベースライン因子で多変量解析を実施した結果、sPD-L1、
GPS(0、1、2)およびsPD-L1(高 vs. 低)により患者を層別化
OSが最も悪いサブグループは「GPS2 & high sPD-L1」(2.83カ月[95%信頼区間{CI}, 2.40-4.40] )
次いで悪い群は「GPS2 & low sPD-L1 / GPS1 & high sPD-L1 」(4.24カ月[95% CI, 3.40])
最も予後が良好な群は「GPS0 & low sPD-L1」患者(12.00ヶ月 [95% CI, 9.36-13.54] )
(結論) ベースラインのsPD-L1値は、進行胃癌におけるPD-1阻害
(解釈上の限界)
・solble factorのカットオフの定義が弱い(ROC設定ができていな
・単独コホートの検証のため、ランダマイズドPhaseⅢ
・solble markerが各々何由来なのかが不明瞭
(自己考察)
2021年に日本臨床腫瘍学会で見かけたときから興味を持ってい
Solble factorが免疫チェックポイント阻害薬にどういう影響を及ぼ
奏効例、無効例でのsolble markerの変化量が気になるところでもあるし、
GPSも多方面で検証されているが、
アルブミンは免疫チェックポイント阻害剤において結構強い予後因
現在は、Nivolumab単剤で使われる機会は併用レジメンで
特に化学療法と併用するケースや抗CTLA-4抗体と併用するケ
NSCLCにおいてPD-L1測定以外にHLA classⅡも一つの候補になり得るか?
●HLA class II molecule HLA-DRA identifies immuno-hot tumors and predicts the therapeutic response to anti-PD-1 immunotherapy in NSCLC
【雑誌】BMC Cancer. 2022 Jul 6;22(1):738. doi: 10.1186/s12885-022-09840-6. open access
(pubmed )https://pubmed.ncbi.nlm.nih.
(journal) https://bmccancer.
(Impact factor) 4.069(2022)
(author) Jie Mei : The Affiliated Wuxi People's Hospital of Nanjing Medical University
(癌腫) NSCLC
(カテゴリー)HLA
(目的)NSCLCにおける免疫チェックポイント阻害剤の患者層
(方法)データベース研究としてbiomarker候補として関
(結果)NSCLC組織検体ではヒト白血球抗原DRα(HLA-
(結論) HLA-DRAが免疫チェックポイント阻害剤のbiomarke
(解釈上の限界)あくまで概念的な部分の引用のため割愛
(自己考察)
HLAはT-cellの機能維持の一環で重要であると前々から考
免疫細胞側のHLAの機能、
免疫チェックポイント阻害剤においては流動的な腫瘍側のPD-
そう思ってはいるのだが、このコホートではPD-L1とほぼ同等
過去、melanomaにおける大規模な試験でHLAと免疫チェ