腫瘍免疫と免疫チェックポイント阻害薬の将来展望

腫瘍免疫関連の医療関係者です。主に癌や免疫などの研究に従事しています。近親者を癌でなくして依頼、研究を進めています。様々な癌における将来展望、現時点での方向性などを研究者観点で書いていきます。主に自分の忘備録ですが、癌と向き合っている方々への情報発信の場となればいいなと思っています。このブログで取り上げている内容はまだ日本で治療を受けることが出来ないものなども含まれますのであくまで今後の展望を見る、またはニュースとしてご覧になってもらえればと思います。

腫瘍微小環境

腫瘍微小環境を抗PD-1/PD-L1抗体が聞きやすいように変化するためにはどういう手法があるか?

●Therapeutic targeting of PD-1/PD-L1 blockade by novel small-molecule inhibitors recruits cytotoxic T cells into solid tumor microenvironment 【雑誌】J Immunother Cancer. 2022 Jul;10(7):e004695 (pubmed )https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/3586…

Docetaxelは前立腺癌の腫瘍免疫微小環境を再構築し免疫チェックポイント阻害薬の効果を増強する

Docetaxel remodels prostate cancer immune microenvironment and enhances checkpoint inhibitor-based immunotherapy(Docetaxelは前立腺癌の腫瘍免疫微小環境を再構築し免疫チェックポイント阻害薬の効果を増強する) 【Theranostics. 2022 Jun 27;12(11…

アデノシン代謝に関わるCD73阻害とA2AR阻害により免疫チェックポイント阻害薬を効きやすくする可能性

腫瘍代謝におけるアデノシン代謝はもともと自分の研究テーマにも沿っていたのでマークしていた。このアデノシン代謝に関わる腫瘍細胞の表面分子としてCD39やCD73に着目をしていたが、その抗CD73抗体や、CD73によるATPの脱リン酸化によって生じるアデノシンの…

【nature】B-cellが免疫チェックポイント阻害薬の効果発現に重要な可能性を示唆

Bcells and tertiary lymphoid structures promote immunotherapy response. 【Nature. 2020 Jan 15. doi: 10.1038/s41586-019-1922-8】 【関連】 ・免疫チェックポイント阻害薬の効果発現に必要な因子は何か? ・どういう腫瘍微小環境であれば長期予後を実…

【nature】難治性軟部肉腫で免疫チェックポイント阻害薬が有用な可能性を示唆

●B cells are associated with survival and immunotherapy response in sarcoma. 【Nature. 2020 Jan 15. doi: 10.1038/s41586-019-1906-8.】(open accessではない) Petitprez F Team Cancer, Immune Control and Escape, Centre de Recherche des Cordel…

免疫チェックポイント阻害薬を効かせるにはB-cell(CD20+)の存在が重要(nature)

がんを制御するためには、TIL(tumor infiltrated lymphocyte)の存在が重要と言われている。これは腫瘍内にCD8+Tcellが存在するという事は、その腫瘍は免疫系に感作されていると言えることでもある。となればそこに浸潤しているT-cellは腫瘍特異的T-cellで…