【nature】B-cellが免疫チェックポイント阻害薬の効果発現に重要な可能性を示唆
Bcells and tertiary lymphoid structures promote immunotherapy response.
【Nature. 2020 Jan 15. doi: 10.1038/s41586-019-1922-8】
【関連】
・免疫チェックポイント阻害薬の効果発現に必要な因子は何か?
・どういう腫瘍微小環境であれば長期予後を実現できるか?
【内容】
過去、Melanomaのneo-adjuvant試験(術前化学療法)で免疫チェックポイント阻害剤(ICI)に反応する患者と反応しない患者の腫瘍ではB細胞が豊富であることがわかっていた。これに基づいて、腫瘍バルクRNAシーケンスを実行し、MCP-counter18という手法を用いてB細胞マーカーがresponderとnon-responderの腫瘍で最も差がついていた遺伝子であることを確認した。さらに他の2つのICB治療コホート(melanomaおよびRCC)でも再現性が取れていた。
組織学的評価は、三次リンパ構造内(TLS)のB細胞の局在化を確認。腫瘍バルクおよび単一細胞RNAシーケンスで、B細胞の抗腫瘍効果の寄与についてを評価した。MS解析により、switched memory B細胞がresponderの腫瘍で多く発現し手いる事が分かった。
【私見】
同じnatureに掲載されていた過去記事でもTLS内にB-cellが存在する事が抗腫瘍効果を発現、維持する上でも重要であると語られている。nature系で再現の取れるデータが同じタイミングで出てくるという事は、今後の方向性としてB-cellも視野に入れた腫瘍微小環境解析が重要であるという事を感じさせる。