腫瘍免疫と免疫チェックポイント阻害薬の将来展望

腫瘍免疫関連の医療関係者です。主に癌や免疫などの研究に従事しています。近親者を癌でなくして依頼、研究を進めています。様々な癌における将来展望、現時点での方向性などを研究者観点で書いていきます。主に自分の忘備録ですが、癌と向き合っている方々への情報発信の場となればいいなと思っています。このブログで取り上げている内容はまだ日本で治療を受けることが出来ないものなども含まれますのであくまで今後の展望を見る、またはニュースとしてご覧になってもらえればと思います。

2020-01-31から1日間の記事一覧

免疫チェックポイント阻害薬は血栓症を誘発するのか?

最近になってよく耳にする機会が増えた「Cardio oncology」。 これを直訳すると「腫瘍循環器学」とでもいうのだろうか? この領域における専門的な学会も立ちあがっており、 臨床におけるがん患者の生命予後を循環器領域の観点で改善しようという働きかけを…

Eli LillyはもうImmune oncologyから撤退?

Eli Lillyのパイプラインにはそれなりに期待していたのだけれど、結果が伴わなかったのと流れ弾を受けて、Immune oncology部門は無くなってしまいそう。 Eli Lillyは2019年4Qの決算発表において3つのpipelineの開発を止める事を公表した。 どこかにpipeline…

ASCO2019アップデート Driver mutation無しのⅣ期NSCLCにおける化学療法のガイドライン

肺癌における化学療法も2017年から非常に多様化してきた。 ASCOにも昨年参加したが、もうDriver mutationか免疫チェックポイント阻害薬の話題ばかりでプラチナダブレットの話題は全くもってナリをひそめたようなものになってきている。ここ数年で治療体系も…