腫瘍免疫と免疫チェックポイント阻害薬の将来展望

腫瘍免疫関連の医療関係者です。主に癌や免疫などの研究に従事しています。近親者を癌でなくして依頼、研究を進めています。様々な癌における将来展望、現時点での方向性などを研究者観点で書いていきます。主に自分の忘備録ですが、癌と向き合っている方々への情報発信の場となればいいなと思っています。このブログで取り上げている内容はまだ日本で治療を受けることが出来ないものなども含まれますのであくまで今後の展望を見る、またはニュースとしてご覧になってもらえればと思います。

Pembrolizumab成功の陰にLemvima(エーザイ)あり

Pembrolizumabが安定的に色々な癌腫で成功を納めている。

そのパートナーとしてのエーザイのLemvimaも評価を高めている。

 

肝細胞癌や子宮内膜癌においてPembrolizumab+Lenvatinib(Lenvima)が成功に繋がっていそうだ。

lemvimaはマルチキナーゼ阻害剤で、すでに甲状腺癌と肝細胞癌で適応を有している。

甲状腺癌はともかく、肝細胞癌では単剤での効果は限定的であるが、

抗PD-1抗体との相性はよく、肝細胞癌でのPembrolizumab+lenvatinibは期待されるレジメンとなっている。

今後もこの併用で様々な癌腫のチャレンジが続いているようであり、抗PD-1抗体+αの議論の中にマルチキナーゼ阻害剤も関わってきそうである。

Lenvatinibはマルチ(複数)のキナーゼを阻害する事を目的としており、主に血管新生因子であるVEGFを始め、その他免疫系に関わりそうな因子にも作用する可能性が示唆されている。それが臨床的に評価されて世に出てきたレジメンとなる。

 

海外のニュースでも、アナリストはこの点を評価している。

https://scrip.pharmaintelligence.informa.com/SC141593/Lenvima-Stars-As-Eisai-Ups-Profit-Outlook-After-Solid-Quarter

 

現在、エーザイの株が好調なのは、このLenvatinibとアルツハイマー病におけるアデュカヌマブの存在だろう。

 

しばらくは目が離せない状況となりそうだ。