ASCO-GU2020 mUCにおけるenfortumab vedotin+Pembrolizumabの驚異的な効果(PhaseⅡ)
ASCO-GU2020も最終日です。
今年は結構面白そうな演題がたくさん。
その中でもひときわ目立っていたのがこの演題。
Bladderの2ndLineで免疫チェックポイント阻害剤のPembrolizumabが使える状況ではあるが、その治療効果はとても満足のいくものではない。
そこで、今回1stLineでの検証(PhaseⅡ試験)で、Pembrolizumabにenfortumab vedotinを併用する事で今後の有望な可能性を示している。
このenfortumab vedotinはBladderに過剰発現しているnectin4をターゲットとする抗体製剤。この薬剤の治療効果はASCO2019ですでに公表されており、単剤でも良い結果がでたためすでにFDAからbreakthrough指定を受けている製剤でもある。
今回の併用試験では、観察期間は11.5ヵ月でORRが73.3%でCRが15.6%(!?)。
という結果のようだった。このCR率には正直びっくりしている。
客観的な評価ではORRは73.3%となっておりDCR(CR+PR+SD)は93.3%・・。
pembrolizumabの2ndLineでの単剤の頃でさえPRが10~20%であったので、この跳ね上がり方は異常だ。
肝転移症例でも53.3%は効いている(ICIは肝転移が苦手な印象があったが・・)
PD-L1別でも評価をしており、PD-L1highで78.6%でPD-L1lowで63.2%となっている。
どうもこの試験ではPD-L1に関係は無さそうでもある。
Duration of response(DOR)は観察期間中では到達せず、
median PFSは12.3ヵ月で、medianOSは到達していない(1年OSで81.6%)
副作用は49%で特段問題となる物は上がっていなさそうだ・・。
この試験結果はESMO2019ですでに公表されており、その際には奏効率は71%であった。それを若干上回ってきているという事になる。